結論:通常、そのまま置き換えることはできません。フェロシリコンは製鋼時のケイ素添加や脱酸に使われます。一方、カルシウムシリコンはカルシウムも供給するため、非金属介在物の形状を制御する処理に用いられる場合があります。添加するケイ素量が同じでも、特定の溶鋼で同じ効果になるとは限りません。
添加の目的を先に分ける
最終的なケイ素濃度を合わせる目的なら、現場の技術者に現在のケイ素源と歩留まりの前提を確認してください。カルシウム処理や介在物の形状制御も目的なら、その条件を別に定義します。Osaka Special AlloyはCa-Siをカルシウムとケイ素を含む脱酸剤として紹介し、カルシウム添加による介在物形状への作用を説明しています。ElkemはFeSiを脱酸と合金成分の添加に用いる鉄・ケイ素合金と説明しています。これらは代替購入に技術確認が必要な理由を示しますが、どの設備にも使える添加率を示すものではありません。
見積もり前に伝える情報
- 鋼種と工程:鋼種、炉または取鍋の工程段階、ケイ素調整・脱酸・カルシウム処理のどれを目的とするかを伝えます。
- 成分条件:購入する合金のSiとCaの許容範囲、および必要なAl・C・P・Sなどの上限を示します。製品名だけで成分を判断しないでください。
- 形状と投入方法:設備に合う塊状、粒状、コアードワイヤーなどを指定します。ワイヤー投入の条件を塊状品の見積もりに流用することはできません。
- 評価方法:最終鋼の成分、介在物の目標、工程での観察項目と工場の採取方法を決めます。
代替を検討できる条件
目的と許容成分を明確にしたうえで、工程技術者が両材料を比較してください。供給者はそれぞれの見積もりと実際のロット仕様を示せますが、処理順序と試験合格基準は製鋼現場で決める必要があります。「Siの割合が同じ」という指定だけでは、カルシウム添加量と工程への影響が不明です。商取引条件の比較には見積もり依頼のチェックリストも参照してください。
出典
- Osaka Special Alloy、製鋼用脱酸剤とカルシウム添加剤、製品資料、2026年11月2日確認。
- Elkem、フェロシリコンの説明、製品資料、2026年11月2日確認。

