結論:通常、一度の抜き取りだけでは十分ではありません。フェロシリコンの一握りの試料は初期確認には役立ちますが、全ての袋やバルク貨物の成分・粒度が同じだとは証明できません。ロットをどう区切り、いつ・どこから部分試料を採り、どう混合・調製したかが結果の代表性を左右します。
写真、分析証明書、抜き取り試料の違い
分析証明書が示すのは、試験所が分析した試料の結果です。写真で分かるのは外観です。一か所の抜き取り試料は、その採取地点の状態を示します。いずれも単独では、船積みロット全体をどうサンプリングしたかの記録にはなりません。ISO 3713は包装品・バルクのフェロアロイの一般的な採取・調製を扱い、積み下ろし時や静置した山からの採取も対象とします。ISO 4552-1は化学分析用試料の採取・調製を扱います。具体的な計画は、対象材料と契約条件に合わせて決める必要があります。
試験前に決めておくこと
- ロットの範囲:グレード、数量、袋や山の識別番号、複数の製造バッチが混在するかを記録します。異なるバッチを根拠なく一つの均一なロットと見なしません。
- 採取時点と箇所:包装前、積み込み時、受領時のどこで検査するかを決めます。担当者、採取対象、部分試料の混合・縮分方法を文書化します。必要な採取回数はロットの条件を抜きに一律には決められません。
- 記録と保管:分割した保管試料を封印し、日付、場所、ロット番号、立会人、引継ぎを記録します。試験所と分析方法も合意します。
- 結果が食い違う場合:受入基準と再試験・第三者判定の手順を発注契約に記載します。分析証明書は重要な資料ですが、合意した採取手順の代わりにはなりません。
ロットに直接立ち会えない場合は、供給者または検査機関に採取記録を求め、結果が代表する範囲と限界を明記してもらいましょう。分析書類の確認にはフェロアロイの成分確認ガイドも役立ちます。重要なのは見栄えのよい一つの試料ではなく、特定ロットと結び付いた検査結果です。
出典
- ISO 3713:1987, Ferroalloys — Sampling and preparation of samples — General rules(1987年発行、ISOの公開情報を2026年10月24日に確認)。
- ISO 4552-1:1987, Ferroalloys — Sampling and sample preparation for chemical analysis — Part 1(1987年発行、ISOの公開情報を2026年10月24日に確認)。

